ネスカフェ バリスタ ~ 使用一年後のメンテナンス
使い始めてから1年を越え、何やら動きが怪しくなってきたぞ
購入当時を思うと、イマやどこでも買えるよーになったネスカフェ・バリスタ
自分の周りでも使ってるヒトがチラホラいるんだけど
先日RB#05宅で、使い始めて間もないバリスタの作動音を聞いて決心しました
ウチのヤツ、やっぱりくたびれてきてるぞ・・・ バラすか・・・
具体的な症状として、起動後に内部の可動部分が渋くなったよーな雰囲気
動ききらないウチにエラーとなり、電源を切って再度起動させ可動部を少し動かし再び・・・
っていう手続きを4~5回繰り返してなんとかコーヒーにありつけるよーになり
コリャ遅かれ早かれ何とかしないとなぁ・・・ と思ってたのだ
結果、下記する手入れで軽快な動作を復活させることはできたんだけど
コレ、分解に不慣れな方には正直敷居が高いカモ・・・
カスタマーサービスの応対は丁寧らしいので
保障期間内の不調なら、そっちに世話になった方が賢明っすね
とにもかくにも分解開始!
外せるモノを全て外したら、とりあえず四方からネジの位置を確認してみます
分かりやすい部分ではコーヒー粉が入ったカートリッジを収めるトコにネジ4本
コイツはM3×12.5mmのイジリ止めトルクスネジ 写真を見るとわかると思うんだけど
ネジ頭中央にピンが立っていてコレに見合ったツールじゃないとどーにもなりません
今回はHANDTOOLカテゴリで紹介してるPro-Auto ミニリバースギアラチェットセットに少しだけ加工してコト無きを得たんだけど、上写真のよーにビットが通るだけで精一杯のクリアランスといった状況 だもんで、新たにコレ用の道具を用意するなら、一本モノのドライバー的構成のレンチで挑んだ方が確実っすね
ちなみにココで必要になるのはいじり止め付トルクスビット(もしくはドライバー)のT-10Hかな オモテから見えるネジに限らず、トルクスで必要なのはコレだけ あとは#2のプラスドライバー 3本セットになるドライバーのうち、真ん中のサイズにあたるヤツっすね
上記した部分4本の他に、水カートリッジが収まるトコにも2本同じネジがあります(上写真) 見てのとーり、ネジ穴の角度がかなり本体に寄る格好になるんだけど手持ちの道具で厳しいようなら、ココは上ネタの取り外しに影響がないから軽く外した状態でネジを緩めるといーかも 上ネタを取り外してからじっくりバラしたいトコだけど、中にはフタの開閉を知らせるスイッチがあるんでケーブルがジャマするのだ
このスイッチと操作パネルに挿さるカプラを取り外せば、上ネタは完全に分離できます
カプラは形状をよく確かめてから引き抜くよーに くれぐれもケーブルを持って引っぱらないコト! また先述したフタのスイッチはスキマに収まってるだけでがっちり固定されてるワケじゃありません だもんで、スイッチの向き・収まりを確認してからバラすことを激しくオススメします! この向きを組み間違えると、本体はフタが開いてると判断してしまうからね
で、上ネタの取り外し完了(上写真) ここまではまぁ道具があれば特に難しいコトはないんだけど、問題は実はココから 更に中をバラそうとする場合、左右のベージュ色のカバーを取り外す必要があります コイツにはオプションで着せ替えカバーなんかがあるくらいだから、バラすのは楽チンだと思ってたんだけど、着せ替えカバーって上から被せるモノで、元のカバーと差し替えるってワケじゃなかったみたい・・・
何を隠そうコイツの分解でイチバンやっかいなのが、このカバーの撤去ってコトを、ココで初めて知るのだった・・・ 何やらめんどくさそうな予感だぞ
カバーは本体に爪で引っ掛かってるだけの構造(中間に2箇所・底部に2箇所)なんだけど、コイツが取り外すコトを前提に考えられてない形状で、壊さない限りオレはゼッタイ外れないもんね!っていう気合満々の収まり・・・
で、あらゆる角度からアプローチできる手段はないものかと観察 本体正面から見て左側の手前の爪がかろうじて上から覗き込めるって感じ ただ、こじった状態で爪を外そうとすればかえって負担をかけて壊しかねないんで、目視しなくても爪に触れられるツールを微調整しながら作成(下写真) 100均のS字フックを伸ばしたヤツなんだけど、各部に干渉しないようアッチ曲げてコッチに戻してっていう現物合わせをしつつ、最後に先端を爪に引っ掛かりやすいように削って完成
ま この時点で分解しずらい(させない?)モノだっていうのはよく分かるかと
おそらく2時間はすったもんだやりつつ、よーやくカバーを撤去 爪を折らずにバラすのだ!という意地をどーにか通せました ちなみに片側が外せればもう片方は側面からアプローチできるんで仕事は早いっす
とりあえずバラせたものの、何だか気分が良くない 明らかに汚れが原因で調子を崩してるのに、そこを掃除するすべがコレだけ難儀っていうのがちょい気に入らないのだ
中には高温になる部分や基盤などもあるからイタズラにバラして壊されたりケガされちゃたまらん!っていうメーカーサイドのスタンスも分からなくはないんだけど、それであれば汚れが堆積しても掃除できるように、もしくは汚れが堆積しない作りにしておくべきだったのでは?と思うのだ
まぁ昨今のモノの作りは修理=交換ってのが腰を据え始めてるから仕方ないかもしれないけど・・・ なんだかなぁって気分っす
サイドカバーが無事外せたら、あとは再びネジへのアプローチっす カバーが外れると、上写真赤丸で囲ってるトコにネジ頭が見えるよーになります ココは左下のネジを除く3本がプラスネジでしたが、こういった機械って製作時期でネジの仕様が変わってたりする場合もあるんで、あくまで参考程度に捉えておくといーかも
あとは水タンク側に見えるトルクスネジ(下写真)を左右2本外せば、取り外すべきネジは全てクリアかな あとは上蓋を外す際に引っ掛からないよう、蓋上を走るケーブルをフックから外しておくといーっすね
(追記 後々記事を見直して気付きました バラしたネジの数が一致しなかったので確認したトコロ、赤丸以外に写真には写ってないんだけど、上の方にトルクスネジが2本あります だもんでこの工程では計6本→8本ネジを外したってのが正解 誤記載失礼しました)
よーやく患部に辿り着きました
ネジ類を撤去して上蓋を外すとギア等の内部パーツが現れます おそらくココだろうと思っていたアーム部分は予想通り、写真のよーなベタベタ状態でした 日常的に掃除できるパーツにも似たよーな汚れが付いてると思うんだけど、アレのちょいエグイバージョンって感じ コレだけ?と言われればコレだけのコトなんだけど、試しに手動でスライドさせてみるとココの粘りはかなりのもので、モーターが動かしきれないのも無理はないっていう負荷っす
ココの症状は単車のセルモータートラブルに少し近くて、冷間時にセルの回りは問題ないのに、出先などでセルが熱を持った状態だとセルが回りにくいって症状 一瞬バッテリーを疑いたくなるけど、実はセル内のブラシが付けた軸の汚れが熱を持つことでベタつき、回りを渋くしてるんだよね バリスタも同様で、朝イチバンの一杯はキチンと動作するのに、日中の気温や内部の湿気・温度が高くなるとベタつきが始まり、動作が重くなるのだな ならば、掃除でしょ!
汚れは上記した部分だけじゃなくて、上蓋裏にも及んでます これらもトーゼン清掃っすね 水洗いして問題のある部品じゃないんで、ジャブジャブいきます
また、ギア部分は挿し込んであるだけだから取り外し可っす だもんで、上蓋と同様に水&ブラシでしっかり汚れを除去できますね 無事キレイになったらそのまま組み込まず、しっかり水気を除去しておいた方がいいっす 普段は水に触れない部品のハズだし、無用な湿気を呼びかねないしね
そんなこんなで部品のクリーニング、完了! 手動によるテスト動作もスルスルっと動くよーになり、ひと安心
右写真は今回バラしたネジのセクション別本数
オモテから見えるネジは黒だけど中で使われるネジはシルバーっすね
その下はギア部分にあるスイッチパーツの向き(オレの確認用っす)
逆向きに付けようと思えば付いちゃう部品なんで、組み間違えしないための備忘録っす
掃除が無事終わればあとは組みなおすだけ・・・ なんだけど
難儀した爪の取り外し カンタンにいかなかったのは爪の逃げるスペースがほとんどなかったためで、上写真がその止まり穴の状態 ココだけ見せてもナンのこっちゃワカラナイと思うんだけど、とにもかくにもココがこのままだと次回同様のメンテ時に再びてこずるのは間違いないんで、爪の逃げを確保すべく本体を少し削り取りました(下写真) コレならバラすのに10分かからず掃除に入れます
ココでも少し考えてしまいました もしかすると内部パーツの寿命自体が1~2年だとしたら・・・ その為の非分解前提の設計と考えられなくもないぞ・・・ とかね
8000円そこそこの機械に耐久性なんて求めるんじゃねーよ! と言われてしまえばそれまでなんだけど、掃除がマトモにできない理由で壊れちゃうのはどーしても辛抱ならないのだ それじゃコイツがあまりにかわいそーだからね
それはさておき、とりあえずカバーを付けない状態で試運転っす! 実はスイッチの組み込みを逆さにして動作しないっていうミスがあったんで(汗)、組み上げるのはコレで2度目っす でもって電源ON! あからさまに動作が軽快&静音になり、先日聞いた新品に遜色のない動作音じゃん! やりぃ
よっしゃ、あとは左右のカバー付けたら終了! と思ったら、この状態からカバーは付けられないのよね・・・(涙)
だもんで、3度目の分解&組み立てを経てよーやくの完成っす(笑)
下写真は今回使った武器達 S字フックは?字フックに加工されてますが、コイツをバラすのに必須のSSTっす!
蛇足ながら、万が一途中で動作が止まったトキの対応策など少々 動いてる途中で止まった場合、パーツを取り出して洗浄しようと思うでしょうが、上写真のパーツが引き出せない状態になるハズです この場合はコーヒー粉のカートリッジを外して穴の位置を確認してみましょう 穴の位置が下写真と同様なら引き出せるんだけど、ココがずれてると安全対策なのかロックされるよーです ずれてる場合、電源を切ってから手動でココを回転させて穴位置を合わせれば引き出せるハズです
また、トラブルの予防としてコーヒーが出来上がってすぐに電源を切らない方がいいっす 注ぎきったアト、バリスタのそばで耳を澄ますとファンのよーな音がすると思うんだけど、コレは多分本体のクーリング(冷却)動作と思われます 例えばウチで常用するエスプレッソモードだとこの動作音は約1分半 コレが消えてからスイッチを切っておいた方が長持ちするのではないかと
~バリスタ 故障~で検索すると
様々な症例に若干引くくらいなんだけど(笑えない)、中には使い方の間違えもあったりで・・・
ひとまずウチのは元通りに動くよーにはなりましたが
壊す覚悟がナイならバラさない方がいーっすね 不慣れな方がやるにはあまりに整備性が悪いっす
自分も格闘中に何度かココロが折れかかりましたからね・・・
冒頭にも書きましたが、保障期間中なら迷わずカスタマーサービスへ!
2014年、ちょっとした対処療法を思いつきまして・・・
2010年に購入したバリスタはトラブルを解消しつつ
4年後の2014年現在でもまだガシガシ使えてますが
トラブル時に作った我がサイトのメンテ話がいまだにアクセス数ナンバー1でして・・・
で、改めて当時作ったページを読み返すと
整備する上での基本的なコトが抜け落ちてるコトに今更気づいた次第 (汗)
何はともあれ症状の分析 (トラブルシューティング)が先でしたね
だもんで、まずはそのあたりからのオハナシを
上写真がそんな動作チェックの様子でして
緑レバーで固定されてる中ネタを外し(外さなくてもいけますが)
上写真のよーに両サイドから少しだけ飛び出てるトコをつまんで
左右に軽く揺さぶってみましょう
詳しくは下記しますが
揺さぶった際にカチャカチャ遊ぶよーならココに問題はナイっす
カチャカチャいうのにも関わらず動作しないなら、原因は他にあるってコトっすね
この場合は当方にその経験がナイので何のアドバイスもできません
揺さぶった際、動きがネバっこかったりガリゴリと抵抗感があるよーなら
不調の原因は可動部の汚れってのが確定するんで
問答無用に上記した全バラ清掃がベストとなりますが
左右パネルの爪を折るくらいの覚悟がナイと難しいのも事実で
何かもっとカンタンな方法はナイものかと
で、最善策ではナイものの手軽さは格段に良好な方法を紹介してみよーかなと
今一度、患部のお勉強をしてみましょーか
動作不良の一因となってるのは
主に上写真の可動部へ流れ着いたコーヒー液(濃厚)が接着剤のよーな作用をし
本来はスムーズにスライドしたい右写真のアームの動きが渋くなるのだな
冒頭のトラブルシューティング時に、つまんで揺さぶったトコがこのアームの鼻先でして
カチャカチャ遊ばないようなら汚れが堆積してるっていう判断ができるワケ
よって、全てを分解して洗浄すれば何事もなかったよーに稼動するんだけども
分解自体がなかなか手強いぞと・・・
で、もうちょいお手軽な方法はナイものかと考えまして
要はこのスライド部分に引っ掛かりやネバりがなければいーわけだから
外科的な掃除方法を思いついたのだ
但し、汚れを本体側に押し込むカタチになるんで
やり方によってはいずれ分解が必要になると思うんだけど
対処療法としてなら紹介する意味はあるかと思うんで、まずはプラモデル屋へGO (謎)
何はなくともツールの準備
ウチのバリスタ君は、大抵アホみたいに忙しい時期に限って機嫌を損ねるんですが (笑)
そーなると分解するスペースを確保するのもひと仕事になるんで
当方自身のモノグサメンテ紹介っていう側面もありますが・・・
で、用意するもの 上写真はタミヤの調色スティック(74017)ってヤツっす
その名のとーり、ボトル塗料の攪拌や耳かき状のトコを使って微妙な調色に使うツールでして
2本セットで定価でも300円くらいの金属スティックっす
コイツの平たい方を使ってメンテしていくワケですが
わざわざ買うのも・・・っていう何でも自作派なアナタ?のため
平たいトコの寸法を計測すると、幅が約4.5mmで厚みは0.65mmってトコっすね
コレより小ぶり&薄くなる分には問題ナイですが
部材はプラスチックやアルミ板だとちょい腰がナイかなぁ
まぁ 汚れの堆積状況によってはイケるかもしれませんが
更なる代用品を探すのも一興っすね (笑)
引き続き調色スティックでハナシを進めますが
平たい部分はそのままだと角が結構シャープなんで
加減が分からない方だと本体のプラスチック部分を削りかねないため
上写真手前のよーに、角を少し丸めておくと本体への当たりが滑らかになりますよ
この面取り作業、紙ヤスリや棒ヤスリもナイ!って方は石コロで代用も可 (笑)
ツールの準備ができたら
緑レバーで固定されてる中ネタを外し、アームの内側面(上側)にツールを挿し込んでいきます (50~60mm程度)
ココを最初としたのは比較的ツールを挿し込みやすいので
堆積物の手ごたえを知るのにいーかなと
で、スーっと挿していって ガリッ とか グニッ っていう手ごたえを感じたらそれが堆積物っす
状況的に掻き出せるよーなら手前に汚れを出すよーにしつつ (ムリしないよーに)
どーにもならないなら奥へ押し込めば、先は少し段差になってるんで
そこに堆積物を とりあえず 溜めておけるのだな
この作業を繰り返し、ツールの通りが良くなったら右写真のよーにアーム上面でも同様の作業をします
同じ作業を外側面(左写真)や内側面(下)でも繰り返していきますが
右写真の下面に関しては遊びが少ないので、ツールの挿さり度合いが短いっす(30mm程度)
ってな作業を左右アームに施した後
トラブルシューティング時と同様にアームを左右に揺さぶってみて
カチャカチャ動くよーなら作業は成功っす
まだネバつきやガリゴリ感を感じるなら再びチャレンジっすね
ウチでは好調子をなるたけ長く維持させるべく
作業後、挿し込みツールの先に上写真のシリコンルブ(WAKOS SL)を少し付け
患部に軽く塗布してますね
とはいえたまたま手元にコイツがあったんで使いましたが
わざわざ用意しなくてもいーんじゃないかな? (汚れたらまた除去すればいーしね)
このシリコンルブはFDA規格(Food and Drug Administration)に適合してるため
食品工場なんかでも使える無臭なヤツゆえ使ってもいーかなと思いましたが
ご家庭に一本はありそーな KURE5-56 とかは使わない方がいーっすね
とりあえず匂うし (笑)
以上がコーヒー液の ネバつき 原因の対処療法っす(主に品番がPM-9630の場合っすね)
冒頭にも書きましたが、押し込んだ堆積物は多少なりとも本体に残るので
いずれは要分解を避けられないとは思いますが
一般家庭よりはウチの稼動状況の方が激しい?と思うんで
しばらくはあえてこの 対処療法 でメンテしつつ
1年くらいで内部がどーなってるかを検証したいと思ってます
そうそう
ウチのメンテ記事を読まれてる方は
おそらくバリスタの旧モデル(PM9630)をお使いかと思いますが
新しいヤツは PM9631 っていう型番で登場していて
何を隠そう既に 所有 してたりたりするんですが (汗)
コチラは今回取り上げた堆積物が、どーやら取り外し可のパーツに付着するよーになっていて
パーツ洗浄でコンディション維持ができるアップグレードが施されてます (スバラシイ)
だもんで、コレから購入する方にはPM9631をオススメしますが
ちょい気に入らないのが
本家ネスレのサイトでは少しお買い得な価格設定で旧モデル(PM9630)を売ってるトコ
一応品番表記はされてるし、在庫調整ってのも理解はできるんだけども
新旧モデルの明確な違いを記載してないのは分からないヒトに対して不親切
その違いを把握した上でサイトを見ると、新旧共々情報はあるものの
うまいこと煙に巻いてますなぁ (笑)
物議を醸した レギュラーソリュブリュコーヒー のスタンスでイキるなら
バリスタの売り方もカッコ良くいってほしいもんです
そんなこんなで初代バリスタ君はまだまだ絶好調
イキオイ余って入手した新型バリスタの出番がなかなか来ないぞ (爆)