model02

色んな意味でブレイクスルーできた仕事カモ

2009年は函館が開港150周年ってことで様々なイベントがあり、函館美術館では「箱館→函館 ビジュアル時間旅行」という時代の変遷を写真や絵画で綴った展示を行っていて、その一角にディスプレイする模型を作成しました こういった仕事はまれなんだけど、歴史を背負った建築物を作るのはすごく刺激的で、作るうちに当時の技術や工法がなんとなく理解できるようになります
業務的には完全に採算割れではありましたが(汗)楽しい仕事でしたね

旧金森洋物店
旧金森洋物店

この仕事の最初に取り組んだ建物 コレが後々の基準になることを考えず、雰囲気を再現することに没頭 基本的に骨格を除いて仕上げは全て紙 紙のセレクトがアガリの分かれ道となるんで、組み合わせを間違えないよう慎重にチョイス 結果、北海道で取り扱いのナイ紙がほとんどで、かなりの枚数を本州から取り寄せましたね 

この仕事のキモは、作成用の図面を作ること 当時の図面はトーゼン手書き モノによってはノースケールだったり線がかすれていたりで一度全方向の立面図を整えるのが第一 当初は自分で絵を書きつつ作業を進めようとしてたんだけど、時間を逆算すると確実に締め切りに間に合わなかったんで、作図作業を我が社が誇るCG部門に託しました ウチはメインの業務がCGで、模型は自分だけが担当する分室みたいな感じ(ちなみに自分はCGに関してはほぼ無知・・・)CGができるってことは、特殊な形状の立体も展開図化できるのだ このおかげで複雑なカタチも紙で組み上げることがでましたね CGモデリングくらいは覚えないとなぁ・・・

旧渡島支庁
旧渡島支庁

公会堂の横にある建物で、色合いがイチバン好きカモ 手前4本の柱は上に行くにつれわずかに細くテーパーしてるんだけど、ココも紙で表現 屋根部分のレリーフはデフォルメしつつも紙を切り抜き、紙一枚分の段差でできる影をディティールとして利用

 

旧丸井今井百貨店
旧丸井今井百貨店

今回の仕事の中では最も現代建築に近かった建物 それでも壁面の凹凸やレリーフなどなどイマにはないディティール なるべくイメージを崩さないよう、壁面の表現では紙の重ね方や間引き方を数回やり直しつつ仕上げました 一見どこにでもありそーなグレー紙なんだけどコレまた特殊な紙で、手に入れるのに難儀しました その甲斐あって実物っぽい雰囲気を出せた自信アリ

旧ロシア領事館
旧ロシア領事館

模型制作の前にどの建物も現場調査で採寸兼ねて見に行ったんだけど、当時の使われ方をイチバン妄想した建物カモ 晩餐会とかやってんだろーか?とかね(想像力がビンボーくさい) 赤レンガに白の枠が特徴的な建物なんで、コレも紙の重ね枚数で影をコントロールしつつ仕上げました 色の設定で最も悩んだ建物です 退色した色を再現するか、建立当初の色を目指すかでずいぶん変わるからね 結局全ての建物を当時の色はこうだったのでは?に基づいて色を選定 屋根の青はもうちょい彩度を下げてもヨカッタかなぁ

ハリストス正教会
ハリストス正教会

この仕事の中で最も難しく、最もCG部隊に助けられた建物 見ての通り、あらゆる形状が特徴的でデフォルメのしようがない感じ 屋根のたまねぎ?的ディティール含め全て展開図から立ち上げ 展開図はあくまで紙の厚みがゼロの前提で考えられてるから、そこからどのくらい寸法を間引くのかが模型屋の勘どころ ま ことごとく失敗して、たまねぎだけで20個は作ったカモ(センスないね)

明治館
明治館

面積が大きな建物なんでスケールを小さくせざる得なく、壁面より屋根形状に目がいってしまうのがちょいもったいない建物 実物を見ると一見シンメトリな建物なんだけど実は屋根形状が左右で違っていて、再現するかどーかで悩んだんだけど、意地で実物どおりにしました イマも使われてる建物なんだけど、中に入ると屋根の骨組みがよく分かります

公会堂
公会堂

初めてこの建物を見たトキ、コレ作るの?・・・と、いちばんビビッたカモ よくよく見ればそう凹凸が激しいワケじゃないんだけど、色使いや装飾にやられたんだろうね 色のセレクトには気を使いました 青も黄色もあまり軽快すぎるとオモチャっぽいし、重すぎると華やかさに欠けるしね 彩度を落としつつ明度を落とさない色とでもいうか・・・

イマ思うと、模型の構成方法にPCを思いっきり取り込んだ仕事の幕開け的物件で、精度・更にタイトになるつつある納期に対応する手段を手に入れた感じ ドラフターがお役御免になるのは少し寂しい気もするけどね

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