Vmax ブレーキ アンソロジー

ブレーキを中心に見たパフォーマンスの変遷

made by PBC

先日キャリパを洗っていて、不意に以前使ってたキャリパを肴に
Vmaxで走り出したコロを懐かしんでました
で、ひとつ思い出したんだけど、いじりはじめた当時意味も分からず,やたら計算してたのが
油圧レシオ
ピストンの総面積とマスターの面積を割って導く数字 自分のにとどまらず
仲間のヤツも計算してみては、う~むと唸ってたもんです 
油圧レシオだけで性能が語れるほど単純じゃないってコトは最近理解できたものの
システムの バランス を構築する上で重要なのも事実
と、かしこまってみたものの、未だ完全に把握できないのがブレーキ
しくみは単純なんだけど、ミョーに奥深いよねぇ

初代Vmax ノーマルシステム

スミトモ

一時期のヤマハ車に色やサイズの違いこそあれ、よく装着されてたキャリパっすね(スミトモ製) マイナーチェンジ前のmaxは前後ともコイツで、ローター(282φフジコーポレーション製)はイマや珍しいベンチレーテッドディスク 乗り始めた当時はコイツの能力に不満はなく、ノーマルのまま走らせるならむしろベストバランスと言っていいくらい 最初に手を付けたFフォークのバネ&オイル交換後にも、まだ不満はなかったなぁ
コリャいかん!と感じたのは、リアにオーリンズ(自由長はSTD)を仕込んだトキで、車体の挙動でイマ大体このくらいスピード出てるなぁって感じてたんだけど、オーリンズが付いたコトで同じ挙動が出るのに時速が30キロほどプラスされていて、車上でアタフタしたのがきっかけ 常用できるレンジが広がったコトで、ついにこのシステムのキャパをオーバーしたんだろうねぇ それでも先立つモノもなかったから、とりあえずメンテの勉強をして もみだし を覚えたのもこのコロ ホースもステンメッシュに換え、タッチはどんどん高まるものの、車体が股に馴染むほど制動力が際立って低く感じ始め、コリャいよいよだなぁと とはいえ当時はまだ選択肢も多くなく、確定するまで悩みましたねぇ
フロント
282φディスク スミトモ製対向式2ポッド42.8φ×2(1438m㎡×2)=2876m㎡ マスター径5/8≒15.87φ(197.7m㎡)         
油圧レシオ14.5:1

リア
282φディスク スミトモ製対向式2ポッド42.8φ(1438m㎡) マスター径1/2≒12.7φ(126.6m㎡)    
油圧レシオ11.36:1

計算し始めた当時はピストンの総数(4ポッドでダブルディスクなら左右計8個)と、マスター径を割ってたんだけど、最近の書籍ではキャリパの片面だけで計算してるよーだね(4ポッドでダブルディスクなら左右計4個) 確かに導かれた数値の比率を見るワケだから、どっちであれ割合は同じだもんなぁ 自分の車両がSTDでどのくらいのレシオなのかは別に知らなくても困らないけど、パフォーマンスアップを検討するなら知っていた方がイメージしやすいかもね

フロントのみアップグレード

初ブレンボ

意を決して導入したのが、ハヤシカスタム(SR・SRXのチューンが得意)製の320φキット 当時はまだ鋳鉄ローターが社外品の中心だったんだけど、コイツはその中でも珍しくステンレスで、インナーローターとフローティングピンがカラーオーダー可能でした 当時はまだ目立ちたかったんでしょうね(笑)、青のインナーに赤のピン・・・イマ思うと最悪のセンスだなぁ 後にPBCにて黒のピンを注文し、最悪からは脱しましたけどね フローティングとはいえワッシャーはウェーブだったんで、セミフローティングといったとこでしょうか キット内容はこのローターと丁寧に作られたキャリパサポートのみで、キャリパは含まれてません キャスティングブレンボは知人から新品を格安で入手 それにプラスしてマスターシリンダーを大流行?したRC30的デイトナ製に交換(5/8) 正直コイツの性能が感じ取れるほど人間センサーが進化してませんでしたね それよりかはダイヤル調整ができるようになったレバーや、カップが別になることでレバーアングルを自由にできるコトの方が恩恵として大きかったカモ 世間がハイアップしていくハンドルの中でどんどん低くなっていってたから(多分5種類以上は交換してるはず)、スロットルとブレーキユニットを別々に調整できるのはありがたかったなぁ 肝心の効きは、大径化されたことで制動力はかなり向上 ブレーキによるあたふたからは解放されました でも効きが増したコトでFフォークの動きが気に入らなくなり(動きすぎる)、油を固くしてみたり油面を変えたりでほぼ毎週セッティングの違う時期がありましたね 結果油の番手は純正比率で#10から#12.5へ 油面をやや高くして(数字、忘れた)エアバネを効かすといった方向に落ち着きました あ バネはプログレッシブの可変レートだったな まだ固くすることで安定させようとしてた時期かもなぁ 後になるべく動かして制御する指向になるんだけど、これまた若さだねぇ(笑)

320φディスク ブレンボ34φ+30φ((907.46+706.5)×2 )3227.92m㎡ マスター径5/8(15.87φ)(197.7m㎡)       
油圧レシオ16.327:1

ホイールのサイズがリアのみ15インチから17インチ(4.5J)になったのもこのコロ フロントがバイアスでリアがラジアルっていうでたらめなタイア設定を経て(ひどい乗り味でした) フロントを18インチのままラジアルにし、セットアップは振り出しに・・・
その後ダイナミックな乗り味は残しつつ、かなり使える足にはなったんだけど、エンジンにはまだ余力がある感じ で、ついに禁断のボルトオンじゃない世界に突入

足回り変更に伴うブレーキの変更

カニ目

もっともっと思いどーりに曲がりたく(笑)、とうとうPVMのホイールを入手(前後17インチ) あまりに高価で注文時に手が軽く震えてたね(笑) しかもリアはそのまま取り付けるとセンターが出てないという状況 ココでついにリンクで紹介してるピストンブローククラブ(以降PBC)に出会います ホイールセンター出しの加工は工作機械のカンケーでPBCで紹介してもらった別のとこにお願いしたんだけど、それに伴うキャリパ側の加工と念願だったスイングアーム補強をPBCでやってもらうことに 写真のカニ目は効かないよと言われつつもコレで!と無理強いして(後に泣くことに)、ローターを写真は現状のブレーキング社のだけど、当時はXJR1200のモノを用意 Vmaxのローターで設定すると大径なのはいいんだけど選択肢が限られるんで、なるべく大きくてネジ位置が一致してバリエーションが増えるであろうXJR1200用となりました この選択は自分的に正しかったよーで、イマでもリアローターはそれなりにセレクトできますね それにしても最近は 丸い ディスクがなかなか無いね ウチのブレーキング社モノもイマはウェーブモデルのみで、スッキリとしたデザインのがないのだ(涙) でも最近サンスターからXJRに対応した 丸い リアディスクが登場! ヨカッタヨカッタ ウェーブディスクって古いバイクに付けるとやっぱり浮いて見えるからね

リア
268φディスク(XJR1200流用) ブレンボ32φ(803.84m㎡) マスター径1/2(12.7φ)126.6m㎡             
油圧レシオ6.35:1

それまでの純正とレシオを比較すると効かなく感じるのもトーゼンで、リアをロックさせようと思うとこれでもか!ってくらい踏まないとできない上に、効力が直線的じゃないから変に神経質に感じたなぁ それでもスペシャルなのだ!というヨロコビに負け、リアは効かせる使い方からあてる使い方に変化 気付けば後ろ乗りから前乗りにと、乗り方まで変化してたね この乗り方は速く走らせることこそできるけど、Vmax的に極めて不安定な状態 それでも乗り手は速くなった気でイケイケに・・・ サーキットの走行会で初めてフルードを沸かせたのもこのシステム 踏んだ瞬間に ペチ っと踏み切った恐怖は忘れられませんね コレらモロモロのインフォメーションを心得ていれば、後の大転倒も避けられてたのカモ イケイケだった2号車、廃車っす・・・

泣きの3号車! ノーマルシステム

マイナーチェンジ

コレでVmaxもおしまいかなぁと思ってたトコロ、廃車となった2号車とともに押し売り?的イキオイでやってきた3号車 とりあえず置いておくからと、鍵までご丁寧に・・・
まだ腰のギブスも外れてない時期だったんだけど(コケて腰骨やっちったのだ)、3号車のコイツはかつてから気になっていたマイナーチェンジモデル 前足が太くなり、ブレーキシステムも改良されてます オマケにカナダモデルだぁ
ま とりあえず走ったよね(笑) 
初代から見ればパワーにだいぶ見合った足になり、スロットルのオンオフも十分に吸収 ノーマルポジションで無意識にリアブレーキを踏むと、スーっと停止 あ もしかしてと思い旋回時にリアブレーキで車体を路面に押し付けるよーに前ブレーキにも入力 速度レンジはたいして高くはなかったけど、狙ったとーりに安定指向のままコーナーをトレース おー!コレコレ! 
で、イキオイ余って家から150キロ先で我に返り、腰に激痛が・・・
それにプラスして久々に乗った18インチのノーマル やっぱりVmax らしい のだ 多分相対的には速くないけど、楽しいっていうくくりでは問答無用にノーマル設定がいい! だもんで、3号車のテーマは楽しいコト!となり現在に至ります 単純に18インチに戻せばいんだろうけど、それじゃ1~2号車も浮かばれないから、17インチのまま楽しさを追求することに

フロント
298φディスク スミトモ33.9φ+30.2φ(902.13m㎡+715.95m㎡×2)3236m㎡ マスター径5/8(15.87φ)(197.7m㎡)         
油圧レシオ16.3:1
※リアは旧モデルと共通

意外にもマイナーチェンジ後のフロントレシオは、ブレンボで構成したモノとほとんど一緒 太くなった前足に見合った性能にしたんですかねぇ 変にいじらず、バネとタイアを見直すだけで十分に走る仕様になると思います ま オメーが言うんじゃねぇと言われそうですが・・・

現在、ベストバランスとしてる FUN TO RIDE! な設定

R1ブレンボ

親友が2005年モデルのR1に乗り出し、しげしげと観察するとMOSキャリパーにセミラジアルのマスターシリンダーという構成 シリンダーの刻印は16になってるけど、確かラジアルって面圧の解釈が横置きと違ったよなぁとか思いつつ、この仕組みで使えるならオレのにも使えるんじゃない?ってことで使ってみることに 通常ブレンボのラジアルだと19×20あたりが5/8設定のバイクに相当するはずなんだけど、大丈夫なのかぁ・・・

結論から言うと大正解! コレには油圧レシオだけじゃなくレバー比も大きく関わってるようで、改めてブレーキを学ぶきっかけにもなりましたね ややこしい計算はともかく、横置きでは感じにくかったコントロール性をヘタッピでも十分に体感できたのにはオドロキ
 コイツのいい点 まず安い(笑) ボディがラジアルにしてはコンパクトで色が地味 レバーの造形がキレイ 握りに正比例させたい向きには極めて良好なタッチ 入力時のインフォメーションをつかみやすいなどなど 半分は見た目のインプレですが、それもまた大事なコト 逆にクラッチのマスターが気に入らなくなってきた今日この頃 スッキリしたデザインのものを物色中です ちなみにVmaxにこのブレーキマスターを仕込もうとすると、スロットル周りの見直しを強いられます スイッチ&スロットルホルダーの変更などなど ん?安く上がってないか? ローターはサンスターのレアもの ブラックインナーの320φです リアキャリパの写真は他ページにあるんでそちらを見てもらうとして、3号車でついに使えるブレーキとなり(ブレンボ4ポッド)、かなり 楽しい 仕様に近づきました

フロント
320φディスク ブレンボ34φ+30φ(907.46m㎡+706.5m㎡)×2 3227.92m㎡ マスター径16mm(セミラジアル)200.96m㎡      
油圧レシオ16.06:1?
リア
267φディスク ブレンボ34φ+30φ(907.46m㎡+706.5m㎡)1613.96m㎡ マスター径1/2(12.7φ)126.6m㎡       
油圧レシオ12.75:1 

フロントはラジアルになった分、横置きとの比較にならないだろうけど一応記載 リアは純正の値に近づいたって分、扱いやすさが増したと解釈できるね 色んなトコで書いてますが、ブレーキいじりも結局はバランス ブレーキだけ強化しても危なっかしいだけだからね そういった意味で 楽しい を実現するために触った部分はかなり多岐に渡り、イマのバランスにとりあえず落ち着いたって感じかなぁ それを書き出すとキリがないんで、ブレーキに見るパフォーマンスの変遷はこのアタリで終わらせます が、コレはまだ通過点っすね フロントのキャリパをもうちょいパワフルにする代わりにローター径を小さくしてみたいっていう妄想もあったり・・・ 楽しい!は悩ましいのだ(笑)

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