PORTER CABLE ビスケットジョイナーキット MODEL 557
単一機能しか持たないワリになかなか高価なんですが・・・
模型の土台作りを業務の一部として確立するにあたり
ビスケットジョイントを投入すべきかずいぶん悩みました
本来、木工道?を突き詰めるならホゾ継ぎ等のウデやコツを積み重ねていくべきだろうけど
実情としてそうそう失敗を続けられないし、時間的制約は切り離せないし、なんせ師匠もいないし・・・
本番が練習で練習が本番ってのがちっぽけな模型屋の現実なワケっす
そんな 時間とアガリのリスク を見事に解決してくれた道具がコイツなのだ!
あ ビスケットジョイントに関してはコイツが初号機ゆえ、比較対象がないんで内容が薄いカモ・・・
PORTER CABLE -Double Insulated Plate Joiner- MODEL557
本来、業務使いの道具は国産モノっていうのが基本方針っす 消耗品の問題もあるし、壊れたトキの手立てが担保できるしね こういったビスケットジョイントカッタはマキタからも出てるんだけど、それでもPORTER CABLEを選択したのは日本ではあまり見ることのない小さなビスケット(後述します)が使えるってのがイチバンの理由
また、web内で導入の検討中、木工フリークの方々がその使い勝手についてイロイロ説明されていて、おおむね良好な評価ってのも影響しましたね こうなるとあとは自分で使ってみないことには良いも悪いもナイでしょ?
で、コイツには何ができるのかと言うと、下写真にあるビスケットっぽい板(ブナなんかの集成材)を木材に挟み込むためのミゾを彫るだけの道具っす 接合したい木材どうしに同じミゾを入れ、繋ぎ材としてこのビスケットを使うのだ でもって接着時、木工ボンドの水分を吸ったビスケットは体積が大きくなり、ガシっと接合できるというワケ また、接合時には多少の遊びがあるから位置調整できるってのも魅力かなぁ
ビスケットには大きさがいくつかあり
そのサイズに合った掘り込み具合を設定できるダイアルがあります(上左写真)
ココにストッパーが当ることで刃の出を調整してるのだな 刃はグレーの胴体に連動していて可動するんで
作業時は黒いハンドルを持って本体をワークに押し付けしっかり保持
で、胴体を握ってワークに回転してる刃を押し付け、掘り込みを入れるといった具合
掘り込みを入れるにあたり、ワークのどの位置に入れるかをセッティングします
その調整部1として、高さ設定部分が上写真
上部のツマミを回すことでフェンスの昇降ができ、横のツマミを締めるコトで固定となります
写真には写ってませんが、横から見た刃の位置が赤で刻まれてるんで調整は難しくないっす
調整部2はフェンスの角度設定っす ワークに対して直角に入れるだけなら不要かもしれないけど
ウチのよーに角度のある対象に掘り込みを入れる場合、この機能は重要っす
調整範囲は0~135°で、上右写真がめいいっぱい鋭角にした(135°)状態
ウチで模型土台を作るトキ、ちょいちょい使う角度っす
使えるビスケットは#FF、#0、#10、#20、Simplex、Duplexとマックス(#6)とのこと
後半のSimplex等はビスケットっていうよりはビスケット形状の蝶番などを指してるよーで
日本ではあまり見かけないけど、なかなかオシャレな蝶番っす
そんな中、ウチで主に使うのは#0と#20、そして最小の#FFっす
#0~#20ってのは比較的どこでも入手可なんだけど(マキタにも設定があるため)
#FFに関しては取り扱うショップが限られますねぇ
重ねてみると分かりますが(上右写真)、サイズは違うけど#0と#20は同じアールで
#FFのみ小さなアールってのが確認できます つまり共通の刃で掘り込み具合を調整して使う#0~#20に対して
刃物自体を交換して使うのが#FFってコトっすね
左上が#0~#20で使ってるブレード(4インチ)、右が#FF用のブレードっす(2インチ)
コレらは本体購入時に付属してきます 道具好きなら気付くかもしれませんが
通常刃を覆ってる黒い底板の固定方法がちょいと粋です
固定してるネジを完全に取り外す必要がなく、ある程度緩めたら底板をスライドさせて取り外せます
ネジ穴を見るとその工夫が分かりますよね? コレは何気に親切カモ
#FFビスケットを使うにあたり、気をつけるコトがひとつあります
先述した底板を外すとブレードの他にシルバーのアームがあるんだけど
コレを右上写真の位置に合わせる必要があります 穴の位置は決まってるんで難しくはないんだけど
グレーの胴体を少しスライドさせないと穴に固定軸が入っていきません
コイツにも可動範囲の制御っていう役割があり、ココを利かせないまま#FFを使うと刃先が出てきませんね
ちょいと使ってみましょーか
あまり参考にはならないと思いますが(汗)
#FFビスケットを使ってテストピースを作ってみます
ちなみにガラス瓶に入って売ってるワケではありません 湿気を嫌って瓶詰めにしました
で、箱に貼ってあったステッカーがステキだったんで瓶に貼ったと・・・
こういった角収めの場合、厚みに対して1/3あたりに仕込むのが基本のよーですが
通常真ん中にアクリルケース用のミゾが入るんで、ウチでは両端の1/3位置に入れてます
使い方としては若干ムチャですが、こんなアングルでも彫れます的一枚っす(右上写真)
押し付けやすさを考えるなら上左写真のよーにいくのがフツーっすね
少し入れすぎかもしれませんが・・・ 小ささを活かすとこういったコトもできるのだ!
刃物の回転が速いんで、切り屑はダストバッグにしっかり回収されるんだけど
バッグがパンパンになると吹き返してきてメンドーなコトになるから、集じん機に接続しておくといーっすね
ちなみにウチの 集じん機 だと設定アンペア数ギリギリですが、連動させるコトが可能っす
でもってビスケットを詰めるとこんな具合
使い始めた当初はこんなんで大丈夫かぁ?と思ったものですが
想像以上の強度でガシっと固定されます
モチロン前提としてクランプ等でしっかり仮固定し、圧着状態を保持した結果ですがね
模型の台座ってスケールやサイズで大きさがマチマチなんで
#FFビスケットが使えることで使用レンジが大きく広がるワケっす だもんで、ウチでは必須なのだ
その気になればネジを一切使わないで家具作りもできるし
いわゆる2バイ材を敷き詰めて一枚板にしてしまうこともできてしまうのだ!
まぁ 無くてもいいっちゃいいんだけどね・・・
道具購入当時の意欲作?をちょっとだけ
コチラには芸術の森っていうトコがあるんだけど
そこで手作りモノを展示・販売っていう屋外イベントがあり
コレに参加したカミさんをはじめ妹・オフクロの作り物をステキにディスプレイすべく作ったのだ
上に載せるモノ的にここまで丈夫に作るコトも無かったんだけど
後々ベンチとしても使えればムダにはならないかなぁと
イメージとしては古道具っぽい仕立てを目指しましたね (ちなみに横幅1800mmナリ)
天板・脚共に2バイ材を製材して使用
脚は天板と分解可で、その固定部分で使うネジ以外は全てビスケットで接合
だもんででっかいベンチだけど2000円使わなかったぞ (道具代は忘れてください・・・)
天板は写真のとーり、3本の2バイ材を接いで一枚板としました
もう作ってケッコウ経ちましたが、まだまだ問題なさそうっす
とまぁ、木材の接合方法は他にもたくさんあるから必ずしも必要な道具じゃないけど
コトをパッパと進める上でかなりの近道ができるのも事実
もしその先にじっくり取り組みたいコトがあるなら、コイツで前作業を済ませ
時間を確保するっていう意味でも アリ な道具なのではないかと
サービスデータ
PORTER CABLE Double Insulated Plate Joiner MODEL 557
ポーター・ケーブル ビスケットジョイナーキット 557
モーター : 7.5A・120V(国内100Vでの使用も可)
付属品 : 集塵バック、細材加工用プレート、専用レンチ、2インチと4インチ径のブレード