MAKITA 2012NB 304mm自動カンナ

木工マニア定番の一台っすね

2012NB

ポリッシャー購入のホームセンターには何らかの縁があるのか
こいつもまた同店にて破格のお値段(ホントに破格)
道具導入の勉強中に何度となく登場してきて高性能なのは知っていたから
見つけた途端、そばの店員をつかまえて コレください!!
この道具をきっかけに、ドドドーっと木工ワールド、突入です

部材取りに無くてはならない道具になりました

2012NB全体

ワカラナイ人にカンタンに説明すると、コイツはカンナがけを自動でやってくれる道具です 自分で考えたモノの寸法通りに部材を製材する場合に、この道具は非常に頼もしい存在なのだ そもそも模型屋がなんで木工なのかというと、模型の外周を囲う土台の自作ってことなんだけど、それまで大物は外注していて制作予算を大幅に占めるのがネックになってました いいものを提供したいんで、アガリを考えるとその金額に文句はないんだけど、模型の用途や規模によって土台の仕様もまちまちで、ホントはこうしたいんだけど予算的にガマンなんて場合が少なくなく、納品時に消化不良な気分 ならばいっそのこと自分で作った方がいーかも ってのがコトの始まり 

その考えを後押しした一台目の道具がコイツなワケです 先述したようにサイズや仕様がまちまちなんで部材の寸法もフォーマットがないから、臨機応変に対応するにはこういったカンナの存在は不可欠なのだ

ハンドル周り

使い方はシンプルで、左上のハンドルを回すことで刃の付いた胴体が上下します そのときに任意の寸法を設定すればチュイーンといってくれるワケですが、一度に削れる量は150mm幅以下で3mm コレはめいいっぱいの寸法なんで、せいぜい1mmくらいずつ回数を分けてスライスするべきカモ となると100ミリのものを50ミリにするのに50回削るの?ってことになるんで、部材の粗取りをするのに別の道具(バンドソーなど)を使って52mmくらいにしたものにカンナがけするってのが、まぁ基本かなぁ

ハンドルの付け根にあるゲージ(フリー回転)を参照しながら微調整ができます 1/4回転で0.5mm削れるんだけど、あくまで参照程度にしておいて部材にノギスをあてながら最後は微調整っすね 
回転させる力は底面で方向が変えられて逆側の軸にも伝わります コレで左右がシンクロした状態で昇降できるのだね

左ゲージ

中央の黒軸がハンドルに直結してる部分 ネジが切ってあり、それに沿って昇降してます 胴体を保持してるのが左右の支柱で計4本、トーゼンながらがっしりしていてブレなどおきません このモデルが何で秀逸なのかというと、同様の他社製品で起きがちだった部材の鼻落ち(部材端部が少しエグれる症状)が極めて少ないってことが挙げられるようです 自分は他社品に触れることなくコイツにたどり着いたんでそのカンドーは少ないんだけど、買い替え組の方にしてみると大コーフンのようです(笑)

左側面には製材時の寸法を表示するゲージがあり、大まかな寸法までココを見ながら一気に昇降させます 精度は悪くないんだけど、見ての通りざっくりとした状態なんでやはり最後はノギス等による採寸が必要ですね その手間の排除と高精度を求める方によっては、ココにデジタルゲージを仕込んでリニアに変化する数値を目視しながら削るというハイテク木工?にアップグレードするようですねぇ 確かに便利カモ

定尺ストッパ

右側には定尺ストッパというアナログだけど確実な寸法メモリー機能があります 例えば一本コレ!っていう寸法出しが決まった製材時にコイツの中央○ボタンを押しつつロッドを座面に当てておきます ボタン離せばその厚みが決まり寸法となり、それ以上昇降部が下がらないしくみ この状態のままカンナがけできればこの機能は不要なんだけど、部材が決まり寸法より4~5ミリ厚い場合、一度昇降部を上げる必要があります そして少しずつ削って決まり寸法に近づけるとき、この機能が生きるんですね

また、このロッドにもネジが切ってあり、微調整は回して行えます 決まり寸法と思ったけどやっぱりもうちょいなんて場合はコッチのネジピッチの方が細かいので
昇降部を少し持ち上げてからこのロッドを回転させて寸法を決め、ムリがかからないように昇降部を下ろすっていうメーカー的にNGな使い方もありますね
あ 写真上はサイド保護カバーが外れた状態でした(メンテ時撮影のため)

ゲージ

昇降部中央下部にフリーのピン(ゲージ)がささっていて、材が触れると持ち上がります このピンの端部がカンナがけ面とツライチで、このピンに触れないってことはカンナがけ面に達してないということになります 触れて浮いた分が削れる寸法となりますが、詳しい説明は正面ステッカーの方がワカリやすいんで省略します

このステッカー見て思ったけど、15A食うってことは一般家庭で使う場合割り振りに気をつけないといけませんね ま 一般家庭でそう使わないか・・・
8500minの回転数はそれなりに高回転だけど、コイツの騒音は思いの外静かですね
ウチにはデルタの手押しカンナもあるんだけど(買い物失敗ブツ)、スイッチ入れた途端キンチョーするくらいに高音のノイズが発生するんで、それを思うと静かな部類に入るかと カンナがけ中はやはりそれなりにウルサイですが、キンチョーを強いられる音というよりは、丸ノコを使ってるくらいの音かなぁ(やっぱりウルサイか?)

排出口

背面の指し示したトコがカンナくずの排出口です 何も付けないで排出し放題にするとなかなかの惨状になります カンナくずはいつももったいないなぁと思いながら捨ててますが、一部はバーベキュー時の焚き付けとして保管してます 一時期コレを押し固めてペレットにできないかなぁとか考えたけど、ストーブ作りに没頭する様が想像できたので、忘れることに(笑) でも捨てるにはやっぱりもったいないなぁ 

惨状になると後々の掃除がタイヘンなんで、集じん機に吸い込んでもらってるんだけど、写真下のフード(別売)を取り付ければ接続が容易です が、コイツは本来右側に出口があるんだけど、ウチでは左にある方が好都合なんです だもんで、さかさまに取り付けるため金物に加工してます コレはさほど難しいコトではないんで、工房の使い勝手で改造するといいっすね 

替刃

排出口上に備え付けられてる白い小箱には、カンナ刃を交換する工具が入ってます
刃の交換に必要なマグネット、奥まったネジを外すレンチとテーブル調整用の6角レンチがその内容 ウチのは替刃式のカンナなんでマグネットが付属しますが、研磨式の場合、マグネットではなくブレードゲージっていう工具が同梱されるようですね

研磨式はその名のとーり、刃がこぼれたら研ぎなおして使えます 替刃式を研磨式に仕様変更することもできるらしいんだけど、ウチでの使い方なら替刃式でいーかな 包丁のように刃を立てるだけならなんとかなるとして、回転軸に固定する刃だから(2枚使用)重量もぴったり合わせないと軸が振れ気味になるらしいのだ
そんなコトワケ無いぜ的匠とこの先出会えたトキ、コイツを研磨式にしてみたいとは思いますね

モーター軸

本体側面のブルーグリーンのパネルはネジ2本で止まってるだけなんで、カンタンにバラせます コレは言い換えれば定期的に掃除しろってことなんだと思うんだけど、確かにしばらく使い続けると機構部裏にカンナくずが堆積したりするんで、外側から掃除するのが手っ取り早いっす
写真上はモーター軸側の側面 カンナ刃軸の駆動はベルトドライブです 静音に一役買ってる部分でしょうね パネルを外すとモーター排熱スリットにもアクセスしやすくなるんで、キッチリ掃除できます ついでに4本の支柱に薄く油分を与えておきます

製材できる幅は品名から分かるように304mm 現場での使い勝手はこの数ミリでずいぶん違うようです ご存知のように材料には規格定尺があり、それを飲み込む幅的に300ミリ前後が攻防ラインらしいのです 幸いウチでは250mmくらいまでが実用域なんで十分コト足りてますが、コレも極めるともっとゴツいのが欲しくなるんでしょうねぇ

ローラー軸

逆側は送り出しローラーの駆動部があります コチラもカンナくずが入り込むんで定期的な掃除は必要でしょうね 内燃機好きにはおなじみのカムチェーンテンショナー的パーツで張りを調整できるようです ま そう高回転で回るものでもないんで、張りを毎度調整しませんが、カンナくずや埃が噛みこむのは気分的にイヤなんで、注油と掃除はしてますね 調子こいてテフロン入りの何がしを吹いてますが、多分機械油で十分です 

動くのは左右黄色のローラー ゆっくり回転してますが、一度材をくわえたらかなりのトルクで引き込んでいきます ここに鼻落ち防止のノウハウが見え隠れしてるのではないかと 黄色の材質はかなり硬質なゴムっぽく、摩擦力もトルクに利用してると思うので、たまにホコリ取りはしてますね モチロンコンセントは抜いてですよ(笑)
コイツが自動的に材を送ってくれるから自動カンナなんでしょうね 手押しカンナはこの作業を使い手がやるからね

ついでにカンナ使用時、マストな補助道具達をご紹介

材料保持

どこぞの安物工具店でバカ値だった補助ローラー達 鼻落ちを防止するには材をカンナに対して水平に送り出すこと 長尺モノになると一人ではなかなか難しいのでこういった道具がとてもありがたいワケです 1本ローラーと2本ローラー、どちらも足つき(高さ調整可)二つ合わせて2000円・・・原価はいったい・・・

安物とはいえ軸受けにはベアリングも入ってるんで回転はスムーズ(但しグリスアップし直しましたが) 必要にして十分な道具ではあります 仕上がりの悪さはコッチのやる気次第でどーにでもなるレベル ローラーのメッキは冗談のように曇っていたんで、がっちり鏡面化 ステー類の精度がデタラメで、説明書どーりにはどうしたって組み立てられません(笑) ま かえってこのくらいの方がやり応えはあるんで、楽しいんだけどね
2本ローラーのものはテーブル上で使う機会が多いんで、足をとっぱらって木製台座仕様にしてます

2本軸




 
2本軸のローラーは主に円柱モノや座面が不整形な場合のみの登場なんで、使用する機会は限られるんだけど、円柱モノなどは特にまっすぐ送れるんで、あればやはり重宝します ってか何だかこの機構がカッコイイってだけで購入したフシアリ(笑)
左右独立で角度調整できます(・・・カッコイイ・・・何が?)

マキタ送り

最後はマキタ製の補助ローラー(A-47450)コレを店頭で見たとき、ムダにしっかり作ってる感じがなんだかステキに見えました(値段も用途を考えると高価)
でもマジメに考えたらどの機能も捨てられなかったんだろうね こういうの、いーです
要はパンタグラフタイプの昇降機能が付いたローラーなんだけど、上げ下げ時の調整に強いコダワリが垣間見えます 座面にちらっと見えるガイドは、ノブの回しに対してどのくらい動かしたかを正確に反映します でもってコレがかなり高精度 ノブにはスタビドライバー持ち手のようなゴムグリップ付き 黄色レバーを押し下げたままローラーを持ち上げると一気に伸ばせます コレも便利 ローラー部左右にはスプリングが入っていて、材の動きを妨げないようにする工夫アリ 
趣味で使うにはかなりのオーバースペックだけど、いいプロダクツに囲まれるってのはやっぱり心地良いのだね(ある意味病気だと思いますが)
これからもマキタさん、期待してます(笑)

サービスデータ

マキタ 2012NB 304mm 自動カンナ

電動機 : 直巻整流子電動機  電圧 : 単相100V  電流 : 15A
周波数 : 50~60hz 消費電力 : 1430W  回転数 : 8500min

本体寸法 : 483mm×771mm×401mm(幅×長さ×高さ)(サブテーブル折り畳み時 長さ307mm)
質量 : 27kg 送材速度 : 毎分8.5m 定盤寸法 : 304mm×771mm

最大切削幅 : 304mm 切削材厚さ : 3~155mm
最大切り込み深さ : 切削幅150mm以下--3.0mm 切削幅150~240mm--1.5mm 切削幅240~304mm--1.0mm

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